宜野湾港マリーナ施設利用料改定に係る県所管部署作成案への反対意見書 私ども宜野湾港マリーナ利用者一同は、「宜野湾港マリーナ施設利用料改定に係る県所管部署作成案」に対して、次に掲げる三点の 立場から反対の意見を申し述べます。 1.私どもは、当マリーナを拠点として、「海洋レジャー・スポーツの普及・振興」に寄与すべく、これまで活動して参りました。 我が県は、古来より海洋立国の長い歴史・文化を有し、又、近年では観光・リゾート立県を標榜し、観光・海洋リゾートの振興に向 けての諸政策を官民一丸となって推進している所との理解のもと、私ども利用者一同は、民間(県民)の立場から、これに協力し又 実践・活動している団体であると自負するものであります。昭和62年の当マリーナの開港以来今日まで、長年にわたり終始一貫し て当公共マリーナの果たすべき役割(観光・海洋リゾートの振興)に鑑み、当マリーナを拠点として各種海洋イベント(レース・体 験乗船・普及教室等)を通して、青少年の海洋スポーツの普及・育成活動、県民への啓蒙活動、県内外の各島々の「島起こし事業」 への協力・交流、国内外の海洋関係者への情宣活動等を行ってまいりました。 2.私どもは、皆、「海洋レジャー・スポーツは、一部の金持ちの道楽である」との偏見を良しとせず、むしろ、広く県民に普及さ れ、その振興の一助となるべく活動しているスポーツ愛好者であります。 我が県は、海洋立国の伝統・文化遺産を有するものの、近代の海洋レジャー・スポーツに関しては、先進諸国・国内先進県に比べ、 残念ながらこれまで立ち遅れて来ましたし、現在でもまだ発展途上であります。この普及・振興の立ち遅れにより、本県においても、 ともすると、「海洋レジャー・スポーツは、一部の金持ちの道楽であるとの偏見」があることもゆがめません。私どもは、皆、海洋 レジャー・スポーツがその普及の歴史から「金持ちの道楽」としての側面を持っていたことは承知しており、逆に、これを良しとせ ず、同スポーツが広く県民一般に普及し、その振興の一助となるべく、同志を募り金銭・時間を工面・工夫して活動しているスポー ツ愛好者であります。 3.私どもは、県内他の民間マリーナの活動に対しては、「海洋レジャー・スポーツの普及・振興の活動を共に実践するもの」との 認識をもち、共存共栄をめざすものです。 我が県の海洋レジャー・スポーツは、そもそも、戦後、県内の民間マリーナを拠点として発生・発展してきました。私ども当マリー ナの利用者の大半はこれらのマリーナでその活動を始め、当公共マリーナの開港とともにその活動拠点を移してきた歴史があります。 このことから、私どもは、民間マリーナがこれまで果たしてきた同レジャー・スポーツの普及・振興の功績を高く評価すると共に、 又、感謝している立場であります。又、現在及び将来も含めてその役割・活動に対し期待し、共存共栄を望むものであります。その 企業運営に対して競合し、又、関与する立場にありません。 又、県外の民間・公共マリーナとの比較議論においては、むしろ差別化して競合を恐れず、他県と比べ廉価で高質なサービスの提供 等により、「当県独自の政策により観光・海洋立県の優位性を保ちその振興を図る事」が重要と考えております。加えて、海洋立県 の歴史的・地理的優位性から、本来、観光振興の上では、県外より、むしろ「(国外)アジアの中での優位性の視点」を持つことが 必要と考えております。 <反対意見> 以下、県所管部署作成案「平成12年度宜野湾港マリーナ使用料改定説明資料」の内容について、示された項目別に対し、疑義及び 反対の意見を述べます。 1.改定の経緯−について 反)平成8年施行の改定については、事前に私ども施設利用者に対して、事前の改定案の提示と説明があり、関係者との合意形成に 向けての調整・協議がありました。又、県議会への上程・審議についても私ども利用者からの署名名簿を伴う陳情活動を受けて、当 初の県議会で結審を見ず、継続審議となり当該の県条例改正となりました。今回の改正に当たっては、事前のヒアリング等もなく、 県議会開催当日での抜き打ち的とも思える説明会開催となりました。何故、所管部がこの様な形をとられたのか、その手続きについ ては全くもって不透明で不当であり、その理由が不可解と考えます。 2.改定の理由−について (1)について−「(前段略)使用開始以来、約9年間実質的な改正がなく、県外公共マリーナ及び県内民間マリーナに比べ使用料 が廉価であったことから、平成8年に使用料改定を行った。その後、実質的な改定が行われず、現在、5年目に入っている。このた め、本マリーナ使用料は県外公共マリーナ、県内民間マリーナの使用料と比較し、かなり低い状態にあることから、使用料の改定を 行う必要がある」とあります。 反)これまで、9年間、5年間実質的な改定を行わなかった理由は何でありましょう。本マリーナの開港・使用がそもそも「本県の 海洋レジャー・スポーツの普及・振興に寄与すること」を目的としており、その為には、広く県民に(負担をかけることなく)公共 施設としての廉価な使用料による公共サービスを提供することが必要と考えます。かかる見地から、これまで「実質的な改定がなく ・行われず」ではなく、「改定を控えてきた」と、私ども利用者は理解してまいりました。 この政策により、本マリーナでは実質、利用者の増大(普及)し振興に繋がり、今日の盛況があります。又、これらのことが本マリ ーナ拡幅事業の推進力になっております。しかしながら、この度の改定では、使用料の据え置きは、むしろ値上げ改定の理由の一つ となっており、反転した考えとなっています。 又、「県外公共マリーナ、県内民間マリーナの使用料と比較し、かなり低い状態にあること」がもう一つの理由として掲げてありま す。前述いたしました様に、私どもは、我が県における唯一の公共マリーナであるからこそ、観光・リゾート立県としての海洋レジ ャー・スポーツの普及・振興に関し他の先進県に比しての立ち遅れを克服し、海洋立県の優位性に加えて「廉価で高質なサービス」 を図り、県内民間マリーナ共々、振興策を推進しなければならないと考えております。他県と比較して低い状態であることそのもの が、値上げ理由となることに対し反対いたします。 (2)について−「本マリーナは、公営企業として特別会計を設け運営しており、ランニングコストに見合う収益は確保されている が、施設整備に要した費用の借入残高は…云々(以下省略)、公営企業として、可能な限り経営に伴う収入をもって経費に充てる必 要があることから、繰入額の軽減を図る上からも使用料の改定を行う必要がある」とあります。 反) 公共施設と云えどもその運営について、公営企業としての収益・収支議論の必要があることは私どもも理解し、又、承知する ところであります。「ランニングコストの収益バランスの歪み是正を図るための改定」は常識的に理解できますが、民間企業ならと もかく公営企業において、イニシャルコストの繰入額軽減を図るための使用料を改定(値上げ)を唯一の方策とする案は、いかにも 短絡的であり承服できません。そもそも公として、国民(税金等)による公的資金を原資として社会資本の整備を図り、これを国民 (の利益)に還元するのが公共整備(公共インフラ等)の理念であると理解しております。 本件のように執行部の無原則的な繰入額低減策を許せば、他の公共施設(例えば、県営体育・運動施設)使用料の、民間同類施設と 比較しての、安易な値上げに通じます。本件の様に、公共サービスの本旨を逸脱することに強く危惧いたします。 本施設においても、初期の目的(海洋レジャー・スポーツの普及・振興)と公共整備の理念に立ち返り、繰入額低減の為の料金値上 げ以外の、他の方策も是非ご検討いただきたく存じます。 3 改定の基本的考え方−について (1)について−「本マリーナ使用料の改定にあたっては、公共マリーナとして海洋レクレーションやマリンレジャーの普及を推進 し、県の観光政策の一翼を担うとういう公共性を重視し、可能な限り県内民間マリーナの経営を圧迫しないように配慮すると共に経 営の健全化についても考慮する」とあります。 反)前段の「公共マリーナとして… 云々」は、まさしくその通りであり、私どもの主張・理解と共通しております。後段の「県内 マリーナ…云々」については、その内容についても又、前段の主張との連結・帰結が全くもって理解できません。私どもは、冒頭に 反対意見を述べるにあたり、[立場−3項]に県内民間マリーナに対し共存共栄で普及・振興を図るべきとの認識を表明しておりま す。私どもは県内民間マリーナが、当宜野湾港マリーナによってその経営が圧迫され、不健全な経営を強いられている事実が有ると は考えておりません。又、仮にあるとしてもその事実(経営圧迫・不健全経営)が、当マリーナの使用料金と因果関係にあるとの主 張には承服できません。執行部の主張理由となっている事実関係をお示しいただき、因果関係を証明して下さい。 (2)について−「料金体系は、現行どおりとし、今回の改定は、県外公共マリーナ使用料金等と格差の大きい浮桟橋、物揚場及び 陸置場使用料(陸置使用料及び海上係留使用料)について実施する」とあります。又、参考として、「ディンギー型ヨット陸置使用 料については、海洋スポーツ育成のため、青少年スポーツ等に供されるものであることから現行使用料のまま据え置く…云々」とあ ります。 反)前段の「県外公共マリーナ…云々」の比較・格差是正が改定理由になることが釈然としません。県外との比較議論そのものは、 当公共マリーナの運営検討に当たって必要不可欠のものと、私どもは理解しております。本県においては、執行部の認識にある通り 「公共マリーナとして海洋レクレーションやマリンレジャーの普及を推進し、県の観光政策の一翼を担うとういう公共性を重視」の 政策があり、この政策を推進するために当マリーナの拡幅事業を進め、又、官民関係部局一体となって振興政策を推進している所と、 私ども理解しております。当マリーナにおいて、その政策を実行するためにこそ、執行部も述べているように「公共企業としての収 益性を含む検討」すなわち「経営戦略の構築」が必要となるのではないでしょうか。その為に、前述しました通り、「県外公共マリ ーナに対して大いに競合し、差別化・優位性(廉価で高質なサービス)を図る」べく、英知を絞る必要があると考えます。ただ単に 「格差を是正する」との方策に釈然としない所以であります。 後段の「青少年スポーツ…云々」についてはこれらの執行部のご認識と改正見合わせの処置に対しては、感謝申しあげます。          本来的には、この様な視点を「青少年・スポーツ」に限定せず、観光振興の見地からも「公共サービスの対象者(利用者)を拡大す べき」と考えます。 4. 使用料算出の手順−について (1)県外マリーナとの比較−について ア、イ項について−内容省略 反)ア項の比較対象の「選定及び比較議論そのもの」についてはは、私どもも必要と考え、これを良しとしておりますので、特段の 疑義は有りません。しかしながら、比較対象のマリーナ選定に当たっては、公共企業として経営戦略を構築するためには、広く・客 観的なデータ分析が必要と考えます。その点、データ不足、分析不足の感をゆがめません。例えば、福井県・石川県のそれと兵庫県 (須磨)・神奈川県(葉山)のマリーナ等を同列に並べて本県と単純比較することは乱暴であります。これらの県は、その県民所得 (体力)、物価指数、該当レク・スポの普及度及び需要等々について、それぞれ差異・事情があるわけですから、これらを指数とし て扱い、比較分析しなければならないと考えます。又、このような分析は本県の公共マリーナの「公共企業としての経営戦略構築」 の為にこそ必要なものであり、「改定のための目的的分析」であってはならないと考えます。 又、イ項の「改定年間使用料は、本県の県民所得等を考慮して県外公共マリーナ平均年間使用料の8割で設定し、公共性を確保する 」とあります。これを見ますと、執行部は他県との比較に「県民所得」等の指数の比較分析を必要とすることを承知しているにもか かわらず、比較分析・項目立ては不十分でかつ短絡的、また結論を急いでおります。「何故、8割で設定し、これが公共性確保」と なるかを、執行部は、再度根拠資料を添えて説明してください。 (2)県内民間マリーナとの比較−について ア、 イ項について−内容省略 反)本項も前項(1)県外公共マリーナとの比較と同様に、比較検討するためには、より客観的なデータによる比較・分析が必要と 考えます。が、その前に、これも、「改定に向けての目的的比較であってはならない」と考えます。県内民間マリーナとの比較・格 差是正が改定理由として掲げられることに対する疑義は前に述べた通りであります。  執行部の述べる「平均年間使用料の70%以上となるように設定し、可能なかぎり経営を圧迫しないよう配慮」についても、前述 の通り、「私どもは県内民間マリーナが、当宜野湾港マリーナによってその経営が圧迫され、又不健全な経営を強いられている事実 が有ると考えておりません。又、仮にあるとしてもその事実(経営圧迫・不健全経営)が、当マリーナの使用料金と因果関係にある かの主張には承服できません」ので、執行部の主張理由となっている事実関係の提示と因果関係の証明を待たずに、「70%数字の 是非、経営圧迫の是正への配慮」に対し、コメント出来ません。とにかく根拠をお示しください。 3)月間使用料の改定−及び  (4)1日使用料の改定−については,(1)、(2)の県外・県内同類施設との比較前提論にそもそも賛同できませんので、月割 り・日割りの詳細は論外(反論対象外)であります。よって、コメントを省略いたします。 又、「同説明資料」に添付された各種資料・データについても、同様の理由により、コメントを省略いたします。 −以上− 平成13年2月26日 宜野湾港マリーナ利用者一同